勉強が得意な子が中1から先取り学習を進めるプランです。前提となる考え方は次の通りです。
- 中学生の間に高校数学(数Ⅰ・A)までの先取りを目指します。高校生で学ぶ数学の量が中学に比べて膨大となるため、高校生に入ってから学校のペースで学ぶと挫折する可能性が高いです。このため、数Ⅰ・Aを先取りし、高校生に入ってからの挫折を防止することが目的です。
※中学生の時に数学が得意でも、高校数学で挫折する人は大勢います。「自分は大丈夫」とは、あまり思わない方がよいと思います。
① チャート式中学数学1年 および 準拠ドリル および 最高水準問題集中1数学
中学の数学は3つの教材をセットで使用します。「チャート式中学数学」とその「準拠ドリル」、そして「最高水準問題集」です。
まず「チャート式中学数学」ですが、この教材には新たに学ぶ内容の説明と、その例題、そして練習問題が掲載されています。使い方は、新たに学ぶ内容(「要点のまとめ」)を確認します。次に例題を確認しますが、これは学校で先生が板書して解き方を教えてくれるものと同等と捉えましょう。例題と解き方を確認し、それを理解します。その後、練習問題を解きます。
「チャート式中学数学」だけでは練習問題量が少ないため、それを補うために「準拠ドリル(チャート式 中学数学 1年 準拠ドリル)」を使用します。「チャート式中学数学」でひとつの単元を終わらせたら、それに対応する「準拠ドリル」を解きます。
最後に「最高水準問題集」を使います。「チャート式」に掲載されている問題よりも難しい問題に取り組むことにより、高校入試に向けた力を養います。「チャート式」のひとつの章を終わらせたら、それに対応する章の問題を解きましょう。なお、この「最高水準問題集」は、「標準問題」と「最高水準問題」に分けられています。もしボリュームが多くて進みが悪くなる場合は、「標準問題」だけ取り組み、「最高水準問題」の実施はいったん保留にしてもよいと思います。「最高水準問題」は⑦の高校数学や⑧の「過去問および模試」の時期に並行して実施するなどでもよいと思います。
中1範囲は半年程度で終わらすことができると、後続のプランに影響がありませんが、無理はしないでください。きちんと理解して進めるために半年以上必要なら、時間をかけてじっくり取り組みましょう。
⑦の高校数学は1年弱の期間としていますが、これは可能であればこの期間で一通り取り組むものなので、①の中1、②の中2、③の中3をしっかりやった後で、中3の夏休み頃までにできる範囲で⑦を実施すればよいと思います。
本プランは中学生になったお子さんが対象なので、基本的にひとりでも進めることができるかと思います。しかし、学習習慣がついていないなどの理由から進みが悪い場合は、最初の数か月は、親御さんが慣れるまで横にいてあげたり、学習する時間帯を決めてあげたり、何かしら取り組めるようにサポートをしてあげてください。
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② チャート式中学数学2年 および 準拠ドリル および 最高水準問題集中2数学
③ チャート式中学数学3年 および 準拠ドリル および 最高水準問題集中3数学
①の中1数学終了後、順に②の中2数学、③の中3数学に取り組みます。それぞれの教材の使い方は①と同じです。
期間は②、③ともに半年ずつとしていますが、上にも記載した通り、この期間は状況に応じて調整してください。中学範囲を着実に身につけないと、⑦の高校数学を攻略することはできません。
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④⑤⑥ 塾で教える高校入試 数学 塾技100
本教材は塾で習う解法テクニックを学べる教材です。本教材も、高校受験を見据えて取り組みます。
中1分野が10単元、中2分野が23単元、中3分野が60単元、整数・規則性分野が7単元あります。それぞれ、チャート式・準拠ドリル・最高水準問題集の1学年分が終わった後に、本教材の該当学年を学習するプランとしました(例えば中1の場合、①が終わった後、②と並行して④を実施)。
※本教材をチャート式と一緒に実施していないのは、本教材をそれぞれの単元に振り分けることが難しいと考えたからです。目次にどの単元か記載があるので、振り分けはできなくもないです。振り分けができるようなら、チャート式と一緒に取り組んでもよいと思います。
本教材は見開き1ページに1単元(1塾技)の構成で、左ページに解説と例題、右ページに練習問題が掲載されています。まずは解説を確認し理解します。例題は、時間の余裕があれば自力で解きましょう。時間に余裕がない、または自力で解くには手ごわいような場合は、例題は自力で解かずに読んで理解に努めましょう。右ページの練習問題は自力で解いてください。
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⑦ 数学Ⅰ・A 入門問題精講 および 数学Ⅰ・A 基礎問題精講
中2の後半から高校数学に入ります。使用する教材は2つで、「数学Ⅰ・A 入門問題精講」と「数学Ⅰ・A 基礎問題精講」です。この2つはシリーズの教材で、「入門問題精講」が最も易しく、「基礎問題精講」はその次のレベルのものです。
「入門問題精講」の特徴は、本教材から引用すると、「いきなり練習問題,応用問題に入るのではなく,「講義」でその単元特有の考え方,公式などを解説しました。」という点です。従って、まずは「講義」をよく読み理解しましょう。そして練習問題を解きますが、ここで注意点があります。高校生向け教材となり、それまでよりも一段と難易度があがります。練習問題を自力で解くのに時間がかかりすぎる、またはいくら時間をかけても解けない場合は、解答を確認して解き方のインプットに努めましょう。そして、そのインプットをもとに、次の「基礎問題精講」に挑みます。
「基礎問題精講」は例題と解説、演習問題の構成です。例題にまずはチャレンジしましょう。「入門問題精講」を経ていますので、例題を自力で解けるようなら解いてみましょう。解けないようなら解法のインプットに努めましょう。演習問題も同様に自力で解きますが、解けない場合は解法のインプットに努めましょう。
「入門問題精講」のひとつの章が終わったら、それに対応する「基礎問題精講」の章に取り組みましょう。注意点としては、「入門問題精講」と「基礎問題精講」で章立てが異なる点です。目次を見れば分かると思いますが、注意してください。
可能なら、「基礎問題精講」は1回だけで終わらせずに、2回転させた方が効果があがるでしょう。そのため、2回転目の期間を3か月程度確保し、中3の夏休み前までに終わらせます。
中3の夏休み前までに終わらない場合、その後も続けるのか、⑧の「過去問 および 模試」に入るのかはケースバイケースです。ただし、すべて終わっていなくても高校数学の先取りは十分できていると思いますので、高校受験対策とのバランスを考慮して対応可否を決めてください。
また、本プランは中学生から学習をスタートさせているため、中学範囲の期間が1年半しかありません。上にも書いていますが、中学範囲を着実に学習した結果、本教材の取り掛かりが遅くなってしまっても仕方がないと思います。その場合は、できるところまで学習すると割り切ってよいと思います。
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なお、高校数学の参考書は非常にたくさんあり、その中でも「青チャート」と呼ばれる「チャート式基礎からの数学I+A」が非常に有名です。おそらく、偏差値の高い高校に進学すると、この参考書かまたは同レベルのものを高校から渡されると思います(もちろん、代金は自分で払うと思います)。
本プランでこの「青チャート」を採用しなかったのは、最初からこれに取り組むと挫折する可能性が高いと考えたからです。もし、日本全国の上位1%くらいに入る数学の猛者であれば、中学時代から「青チャート」にチャレンジしてもいいかもしれません。参考までに、以下に載せておきます。
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⑧ 過去問および模試
本プランでは高校レベルの数Ⅰ・Aまで進めてきましたが、高校受験向けの総仕上げとして過去問と模試を活用した学習を行います。
まずは過去問ですが、受験を予定または検討している高校の過去問を使用します。自分で解き、間違えた問題については解説を確認して理解しましょう。過去何年分やるべきかは残された期間、受験予定の高校数、他教科との兼ね合いなどあるので一概には言えませんが、志望順位の高い高校ほど多くの年次を行ってください。何年分やるかよりもこちらの方が大事なのですが、1度のみ解くのではなくて、2~3回解くことをお勧めします。また、2回、3回解いても間違える問題については、そのような問題を集めたノートを作成してもよいかと思います。何度も間違える問題は弱点ですので、そのノートを繰り返し確認することで弱点克服につながります。
中3になると受験本番に向けて模試を受けると思います。模試の結果に一喜一憂するかと思いますが、模試を受けたら必ず復習をしてください。間違えた問題については、次に同じ問題が出たときに間違わないようにすることが大切です。また、過去問の箇所でも書きましたが、再び間違えそうな問題(自信のない問題)についてはノートを作成し、繰り返し復習するというアプローチもよいかと思います。