中3生のご家庭が志望校を決定するまでの流れを確認したいと思います。次の図は、志望校決定に関する学校側の主なイベント、右側はご家庭が主にやるべきことを書いています。
受験に向けては、お子さんが勉強だけしていればいいわけではありません。受験する高校を選ぶということを行う必要があり、これはお子さんだけでなく、むしろ親御さんが積極的に関与することだと思います。
何をしていいか分からないというような場合は、このブログを参考になさっていただけると幸いです。
なお、図中の学校のイベントは、それぞれの学校によって内容や時期が異なると思いますので、これは一例だとご認識ください。
① 情報収集
志望校決定に向けての情報収集は、可能な限り早く行うべきでしょう。思い立ったら即情報収集に入るくらいの意気込みが必要です。まだ時間があるから大丈夫と思っていると、いつの間にか周りから遅れている状況になる可能性大です。また、受験生本人も情報収集をするかと思いますが、これに関しては親のサポートがあるべきだと思います。
さて、図には「インターネット、書籍等」と「学校見学」と書きました。「インターネット、書籍等」はその通りに、世の中にある情報を色々と探ってみてください。
ここでは、「学校見学」について主に書きたいと思います。毎年、夏前くらいから秋くらいにかけて学校に触れる機会がいくつかあります。次のようなものです。
- 学校説明会
- オープンキャンパス
- 文化祭
正直、学校見学には限界があると思います。事前にいくら調べても、実際に通った後でないと分からないことは多々あります。学生時代を経験された親御さんなら、それは分かってくださると思います。
ですが、子どもがいざ高校に通うことになった後で、『思っていたのとは違う』とは極力ならないで欲しいと思うのも、また親御さんの想いかと思います。そうらならいために、できるだけ学校見学には行くべきだということもご理解いただけると思います。
さて、学校見学に行くことは理解いただいたとして、実際にどうするかということを考えると、学校見学に行くまでの道のりは結構長いです。このため、可能な限り早く情報収集をすべきということをお伝えしたいです。
次のようなステップが必要になると思います。
- 志望校となりそうな候補を考える
- 学校公開に行きたい高校を決める
- 学校公開の情報を確認する
- 学校公開に行く
数えると4つしかないので、そんなにやることはない?かというと、そんなことはないと思います。
一番時間がかかるのが「1.志望校となりそうな候補を考える」です。
なぜかというと、これを行うためにはいろいろなことを考える必要があるからです。どいうことかというと、最初は広めに高校をリストアップすることになると思うのですが、それをするために色々と考える必要があります。
<志望校となりそうな候補を考える際の観点>
- 自宅から通える範囲の高校かどうか。
- 子どもの学力に応じた高校かどうか(子どもの学力については、これから伸びていったときに可能性のある高校と、いざという時のすべり止めの高校の範囲を広く考える必要がある)。
- 高校で部活動を行うなら、やりたい部活動があり、かつ子どもに合う部活動の高校かどうか。
- 高校に行くための費用(入学金、授業料、授業料以外のお金)を考えてみて、志望校とできるかどうか。
- 共学かどうかを考慮するのか。
- 高校の方針に賛同できるか。
他にも考えるべき観点はあるかもしれませんが、上記のようなことを考えながら高校を探してリストアップする必要があります。さらに、お子さんの気持ち・意見と親の気持ち・意見をすり合わせる必要もあるでしょう。そのうえで、学校公開に行く高校を絞り込むことになると思います。そう考えると、結構時間がかかると思いませんか?特に首都圏は選択肢が多いため、なおさらだと思います。
このため、思い立ったらすぐに情報収集にあたるべきだと思います。
本当は中1や中2の段階で、ゆるくていいので高校に対する方向性を家庭で考えておくと、中3になって焦らなくて済むと思います。中2以下向けの学校説明会を行う高校もあるので、中3前からそのような場に参加することもよいでしょう。
もし、中3生のご家庭で、上記をご覧になって焦りだした場合は、すぐに情報収集にあたってください。
なお、学校公開は事前申し込み制などもあるので、そのような事情からも「なる早」であるべきです。
② 模試
模試を受けるべきであることは、ブログ(高校受験に向けた模試について)でも書きました。ここで言いたいのは、志望校の候補をあげ、そして絞り込むことを行うためにも模試は必要だということです。
一般入試の場合は、その高校を受験する受験生の中での試験の出来具合によって合否が決まります。そして、その可能性を事前に測ることができるのが模試です。
人によるとは思いますが、高校受験は複数校を受けるケースが多いと思います。そして、ちょっと頑張れば入れそうな高校、普通に入れそうな高校、すべり止めの高校といった具合に、レベル分けをするケースが多いでしょう。それを考えるための材料が模試になります。
このため、模試は複数回受けるべきでしょう。1回や2回の模試だと、出来が良すぎたかもしれませんし、逆に悪すぎたかもしれないため判断がつきません。何回か受けてみて、お子さんの実力値がだんだんと分かってくると思います。
あとは、③の三者面談に間に合うように、何回か受けておく必要があります。
③ 三者面談
中学校によって回数や時期は様々かと思いますが、中3の間は何回か三者面談があるかと思います。そして、その三者面談は、高校受験に向けて、学校側と家庭のすり合わせがメインの話題になると思います。そして、最後の三者面談が志望校を最終決定する場になることが一般的です。
ここでご家庭として認識しておく必要があることは、学校側はサポートはしてくれるでしょうが、お子さんの進学先について情報を集め、検討し、意思を持つのは家庭側の役割だということです。
このため、だいたい11月終わりから12月頃に行われる最後の三者面談では、家庭側から、無理がなく、そして妥当性のある進路希望を整理したうえで学校側に伝える必要があります。
それに向けて、①の情報収集や②の模試を通して、ご家庭の考えを整理しておく必要があります。
なお、塾によっては、進路指導や進路に関する情報を提供してくれる塾もあるかと思います。塾のメリットのひとつだと思います。塾に通われている場合は、十分に塾を活用されるべきかと思います。
おおまかではありますが、志望校決定までの流れについて書きました。志望校決定は親御さんのサポートが必要だと思います。お子さん自身に興味を持たせる、お子さんも情報を探したり意見を持ったりするでしょうが、そのための情報を提供する、一緒に考えてあげる、このようなサポートが必要だと思います。高校受験は、お子さんにとって、一生のうちのそれなりに大きなイベントです。是非、大人のサポートを提供してあげてほしいと思います。